その他
Q. 社会科の時間に思ったのですが、時代が変わると中国の呼び名が変わるのはどうしてですか? (小6・女)
A. おねえさん:どんな中国の呼び名を知ってるのかな?
女の子:「明(みん)」とか「漢(かん)」とか「宋(そう)」とか。
おねえさん:色々あって、覚えなきゃいけないから大変よね。
千夏先生:今は中国は何て呼んでいるか知っているかな?
女の子:「清(しん)」?
千夏先生:違うんだよ。今はね、「中華人民共和国(ちゅうかじんみんきょうわこく)」という長い名前になっているの。中国って広いでしょ。中国って、昔から広い一つの国ではなくて、色んな小さな国がいっぱいあったの。その小さな国がそれぞれ色々な名前を持っていたのね。それで、その中のある国が力を持った時、例えば「漢」という国が力を持った時には、中国全土を「漢」という国の名前で呼んだり、「宋」という国が力を持ったら、今度は、「宋」という名前で呼んだりしたの。日本で例えて言うと、東京都が力を持った時、日本全体が「東京都」と、呼ばれてしまう感じなんだよ。日本でも、最初から一つの「日本」じゃなくてね、大昔は、当時の中国からは「倭国(わこく)」と呼ばれていたのね。だけど、「倭国」の中には「邪馬台国(やまたいこく)」とか、「奴国(なこく)」とか色んな国があったの。時代によって、力を持つ国々が変わってくるわけ。それで、歴史を勉強する時には、時代ごとに力を持っている国の名前で呼んだりするの。
おねえさん:国の名前が王様の名前だったり、その国が「こんな国になりたいな」と名前を変えたりとか、今でも国の名前が変わったりすることはありますものね。
千夏先生:そうですね。周囲から呼ばれている国の名前がイヤで、ちゃんと自分達で言っている名前で呼んでくれという時もあるしね。国って、最初から国の範囲が、今みたいに決まっている訳ではないし、その中に小さな国がいっぱいあって、だんだんその国が一緒になったり分かれる時もあるの。2つになったり3つになったり、たくさんに分裂したりね。時代ごとに、そこで一番力を持った国の名前が、中国の場合は呼ばれているというふうに理解したらいいんじゃないかな。昔は国連(国際連合)なんかなかったから、きちんと国名を登録して、世界的に国の名前を知ってもらうということもなかったからね。
「国の名前って一体何だろう」と考えるのはとっても大切。考えると奥が深いですよ。

(注:「倭国」は、昔、中国から呼ばれた日本の名前です。「邪馬台国」とか「奴国」は中国の歴史書「三国志(さんごくし)」に昔の日本の国の名前として載っているんですよ。「邪馬台国」や「奴国」の名前の由来、現在の日本のどこの地域なのか調べるのも面白いかもしれませんね。参考にした本:小学館「大辞林」)

作家:中山千夏 先生

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