その他
Q. 新聞の『聞』は耳の字が入っています。僕の辞書では、一番下の棒が突き出ていて、お母さんの辞書では突き出ていません。なぜですか? (小学1年 男の子)
A. 金田一先生:この字は学校で習ったのかな?
こども:辞書。
おねえさん:辞書で調べたの?
こども:うん。
金田一先生:本当はどっちだか知ってる?
こども:知らない。
金田一先生:棒が出ている方が普通だと思うよ。棒が出ていない方も時々あるんだよ。けども、普通は横に棒が出てるはずだよ。
おねえさん:何か時期で変わったりするんですか?
金田一先生:これは変わらないはずだよ。でも例えば新聞の会社によっては、右に出ていない字を使っている新聞の会社もあるんですね。今手元にある「朝日新聞」は出ていない。会社の名前とか、人の名前というのは割合と自分で勝手に作っていいことになっているの。ですから絵だと思ったらいいのね。本当の漢字は辞書の漢字です。
おねえさん:辞書によって違うんですかね。
金田一先生:そうだね〜。それから毎日の「毎」という字も違っていたりすることがあるんですよ。古いのと今のと違うんですね。昔は「母」というところが昔はちょん・ちょんって書いてあったのですが、今は、棒を一本スッと流すというのが正しい。
おねえさん:両方ともあることはあるんですよね?
金田一先生:そうですね。わざと出さないのや、出すのもあるし。
おねえさん:元々の「耳」は出ていますものね。辞書によってもいくつか違うのがあるので、もうちょっと調べてみましょうか。
おねえさん:ラジオを聴いている方から情報が入りました。新聞の「聞」は耳が出ていない方が新しくて、今は出ていない方が正しいんだって。

杏林大学教授 金田一秀穂 先生

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