その他
Q. なぜ、新聞はいろいろな種類があるんですか? (小学4年 女の子)
A. 池上先生:なんで一つがいいと思うのかしら?
こども:いろいろな種類があったら、配達するのが大変で…。
池上先生:そうだね、でもこれはね、例えば一つだけだとね、そこの一つの新聞の記者の人が「こうだな」って思って、ひょっとして間違えるかもしれないよね。人間だから間違いってあるよね。新聞が一つだけだったらその間違いだってことに他の人が気がつかないかも知れないでしょ?いろんな新聞があって、「私はこう思う」「いや、これは違う」って競争することによって、いろんな事実が伝えられたり、あるいはいろんな意見があるよね。例えば小泉総理大臣がやることについて「いいことだいいことだ」っていう新聞だけだったり、小泉総理がやることが「いけないことだ」っていう新聞ばっかりだったりすると…、いろんな意見があってもいいはずだよね。それぞれの人が競争することによっていろんな新聞があるの。これがね、実はとっても大事なことなんだと思うんだよね。例えば、●●県のことについて●●新聞が伝えていることと、○○新聞が伝えていることが違うかも知れない。そうすると、読んでいる人が「どっちがいいのかな。自分はどう思うかな」ってことができるんだよね。これとって大事なことなんだと思います。世界には一つの新聞しかないってところもあるのね。その政府の言っていることは正しい、政治家がやっていることが何でも正しいことだ、素晴らしいことをやってるってことばかり書いている新聞もあるの。これちょっと怖いなって気がしない?いろんな考え方ができる、みんなが競争することによって新聞って良くなっていくって思うんですね。だから、配達する人は大変かも知れないけど、でもいろんな新聞を配達する人もそれだけ仕事ができるわけでしょ?この新聞を配達する人もいれば、別の新聞を配達する人もいる。それで仕事が出来るわけだから、実はいいことなんだと私は思います。

フリージャーナリスト 池上彰 先生

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