その他
Q. 算数の時間にみんなの前で割り算の問題を間違えてしまって、友達に笑われてしまって恥ずかしくなって、怒りたくても怒れないんですけど、どうしたら言葉にできますか? (小学3年 女の子)
A. 増田先生:こういうことっていつもあるし、他の子もあるんじゃないかな?間違っちゃってみんなにワーって笑われちゃってやだな〜って思う事ってたくさんあると思うんだよね。だからね、簡単に言うとね、一番イイのはね、休み時間とかに担任の先生の所に行って「先生、ちょっと間違えちゃって笑われて恥ずかしかったんだけど、先生相談にのってくれる?」とか「どうにかしてくれる?」っていう風に、担任の先生に相談してみるとね一番イイよ。そうするとね、必ずねみんなに「間違えることは悪い事じゃないんだよ」って、「間違えるから正しいことがわかってくるようになるんだよ」っていうふうにみんなにきっと言ってくれると思うな。間違えることをたくさん重ねることで、やっと正しいことが分かってくるってことがいっぱいあるんだよ。
おねえさん:でも、みんなの前で間違えちゃうとやっぱり恥ずかしいですよね。
ピーコ先生:今の増田先生の言っていることが本当だと思うんですが、でももし計算を間違えて、問題を間違えて恥ずかしいって思ったらね、これはお勉強すれば間違えないんだから、この恥ずかしいって気持ちを土台にして、お勉強では間違えないようにしようっていうので、他の人より割り算が苦手だったら、ちょっとゲームやったりテレビ見る時間を少なくして、割り算を一生懸命やってみたら?で、次に理科や国語なんかを間違えたときにも、その間違えたことを「一回間違えた」って自分で思ったら、間違えたことを答えちゃったら、そのことをお勉強する機会にすればいい。でもう一つ、間違えることって恥ずかしい事じゃないのよ。間違えちゃうのは、「間違ってしまった」ということを自分が確認すれば、正しいことを覚えるチャンスだから、恥ずかしい事じゃないのよ。ただ、お勉強いつまでもしてるのに、いつまでも覚えないことの方が恥ずかしいのよ。自分が一生懸命頑張って出来ないことは仕方ないって私は思う時もあるんだけど、でも努力することは大事だから努力した方が、だから、みんなに「努力しても出来ないときもある」って言えるでしょ?こんなに努力したんだけど出来ないんだよ、どうしたら出来るようになれるかな?ってみんなに聞いたら、ホントにあなたのことを「あ、すごいな」って思ってくれるかもしれないから。頑張るってことは嫌いだけど、努力はしなさいね。
こども:はい。
おねえさん:恥ずかしいって気持ちがあると、お勉強にも身が入るかも知れないし、例えばお友達に笑われちゃって恥ずかしいなって思う気持ちはそのまま持っててイイってことですね?何か別の気持ちに変えなくても。
ピーコ先生:気持ちを変えるんじゃないけど、でも恥ずかしいって気持ちがあるってことは何か他のことに力になるための気持ちにもなると私は思うのね。
山崖先生:それは、ものすごく高度なことをピーコさんおっしゃってると思うんです。そういう風にできたらいいんだけど、教室でみんなに笑われたときに何かこう怒りたいけどね言葉にならない、何か言いたかったんだよね?
こども:はい。
山崖先生:おそらくそこで一言言いたかったと思うんでね、やっぱりその時に言えるとね、気持ちが残らないと思うのね。残りながらそれをバネにしてっていうのも大事なんだけど、ちょっと重過ぎちゃうんでね、やっぱり「笑わないで下さい」とかね、間違えちゃったけれどもやっぱり笑われるとすごく悲しいとかね。そのままの気持をそこで先生を介しても良いんだけど、そこの場で言えたらね、みんなはすごく共感すると思うの。
おねえさん:今度は頑張ろうとか…
山崖先生:やっぱり、ひとの失敗を笑うっていうのは、人を傷つけることなんだな〜っていうことをみんなもわかることになるんだろうと思うし。そこで笑われる人・笑った人っていう区分けが出来ないで、一緒に、みんなの痛みは大事にしていこうとかね、あんまり傷つけないようにしようとかね、そういった気持ちになっていくんじゃないかな?って思うんで、上手に言えなくてもいいの。自分の気持ちを「みんな笑わないで」とか「笑われると悲しいよ」とかって、思ったまんまを一言口にすると、それでいいんだと想う。上手に言う必要ないよ。

服飾評論家 ピーコ先生/埼玉県朝霞第三小学校教諭 増田修治先生/津田塾大学教授 山崖俊子先生 先生

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