その他
Q. 写真を撮るのが好きなんですけど、どうやったら人の写真が上手く撮れますか? (小学6年 女の子)
A. 長倉先生:カメラはどんなカメラかな?
こども:デジカメです。
長倉先生:デジカメ、そのカメラはコンパクトっていうか小さめのカメラ?それとも一眼レフというレンズが大きくて、見たときにね、同じ物、見た時にレンズを通して見えるものか、それとも違う窓があってそこから見えるものかな?
こども:コンパクトです。
おねえさん:携帯電話のカメラかな?
こども:それも持っているし、普通のコンパクトなカメラも持ってます。
長倉先生:二つ持ってるんだね。あのね、まず注意しなくちゃなんないのは、デジカメのコンパクトカメラは、シャッターを押したときにね、普通だったら僕らなんかだと、すぐ写って欲しいんだけど、コンパクトカメラはね、少し時間が経ってからシャッターがおりるっていうのかな、写るんですよ。だからみんなを撮りたいときにクラスのみんなとか、家族、「はい笑って」とかいって、押して写ると思って押しているんだけど、なかなかパチッといわずに、ちょっと1秒とか2秒くらいたってから写っちゃうから、待ってる人もね、一生懸命笑顔を浮かべてるのに、「なんで写んないんだろう」、「もう一回」と言われるとちょっとしらけちゃったりする場合があるのね。だからね笑顔とか、みんなで記念撮影を撮るときには、自分で一回テストしてみて、シャッターに手をかけてみて実際に写るまでどのぐらい差があるかな〜、時間の差があるかな〜って自分で感覚をつかんでおくのね。
おねえさん:パシャっていうまでの間。
長倉先生:1秒か2秒っていうふうに自分で「1・2・3」とか覚えておいて、逆に言うと、上手くそれを調整しながらあんまり早くみんなに「こっち向いて」とか言わずにね、少しその差を考えながら、押してからこっちを見てもらってもイイかも知れないね。遅いカメラだと。
おねえさん:やっぱり「撮るよ」って言われてから撮るまで長いとそうするとなかなか上手な笑顔が撮れませんか?
長倉先生:そうですね。だから、それは記念撮影の場合であって、家の中で家族とか、人間を撮るときにはね、一番のイイ写真を撮る秘訣はね、やっぱり、カメラをあんまり相手に意識させない。どうしてもカメラをのぞいちゃうとね、こちらから撮られる人からみると、カメラが自分を見てるって感じがするじゃない?っていうのは、顔が隠れちゃうわけだから。だからそうじゃなくてね、撮る直前まで相手の人に顔を見せて、そして話をして、柔らかな雰囲気になったときにホントはカメラを取り出して撮る、そしてそれも慣れてくるといちいちのぞかなくても大体このぐらいで写るかな〜と思うとね、顔にカメラを持ってくるんじゃなくて、自分の胸の辺りにカメラを持ってきたり、ちょっと横にカメラを持ってきてね、それで相手の表情を見ながら「今がイイかな」「ここで撮りたいな」と思ったときに撮る、そうすると相手の人もカメラを余り意識せずに、緊張して自分のおばあちゃんとか家族の人にはそういう撮り方もイイかも知れないね。
おねえさん:顔の前まで持ってこないで、胸の辺りに置いておいて…
長倉先生:胸の辺りでも、大体わかっていくと思うんですよ。何回か撮るうちに。だから自分が一回胸のところまで下がってね、あ、このぐらいで写るんだなというのを自分で一回つかんでおくと顔を上に上げても大体分かって、そんなに差がないと思います。
安西先生:私も鳥の写真を撮るので、「どうしたらよい写真を撮れますか?」と聞かれるんですけれど、人の写真を撮るんだったら、その人のことを分かった方がいいよ。相手のことを知るっていうのがイイ写真を撮る秘訣だと思うんですけど、どうでしょう?
長倉先生:そうですね、やっぱりまあ知るっていうのは、現実には知らない人とか難しいから、やっぱりそこで柔らかい雰囲気というのかな、親しくなれるような、だから撮る前にやっぱり、自分がまず笑顔を、笑顔を撮りたいんならまず自分が笑顔を見せてみる、そうするとその笑顔が相手にうつって相手の人も穏やかな気持ちになる。とても怖い顔だったりね、あるいはカメラばっかりのぞいてたら、カメラの顔って怖いでしょ?機械だから。相手もちょっと緊張しちゃうよね。だからできるだけ自分の撮りたい物、それを笑顔であれば笑顔を見せる、そういうのが大事かな?
こども:はい、わかりました。
おねえさん:仲良くなりたいなとか、素敵な笑顔だなって思って、コレを撮りたいっていう気持ちが伝わると。
長倉先生:相手が好きだったら「好きだよ」っていう顔を見せる、そうすると相手もそれを感じてくれる。それが絶対写真に写ると思うんだ。
おねえさん:いっぱい撮ってみるとわかってくることがたくさんありそうですよね。
長倉先生:撮ってね、自分でやっぱりテストだから、撮ってみてどうして撮れなかったんだろう、自分の思ったようにそれをまた勉強して、次、今度はこうしたら良いんじゃないかなっていう工夫もとても写真を撮るときには必要です。

フォトジャーナリスト 長倉洋海先生/日本野鳥の会 安西英明 先生

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