その他
Q. どうして新聞の字は小さいんですか? (幼稚園 女の子)
A. おねえさん:新聞は読んでるんですか?
こども:少し読んでます。
おねえさん:えらーい。何かと比べて小さいと思ったのかな?それとも見て小さいと思ったのかな?いつも読んでいる本と比べて小さいっていうことかしらね。
池上先生:新聞って、例えば子供向けの新聞ってあるよね。例えば朝日小学生新聞っていう新聞があるんだけど、これは子供にも読めるようにって字が大きくてね、新聞の一行二行って分かるかな?
こども:はい。
池上先生:縦に文字が並んでいるでしょ。これが一行二行ってなっていくんだけど、ここに文字がいくつあるかな?っていうとね、例えば朝日小学生新聞だと一行の中に8文字だったり、9文字だったりするのね。だから、なかなか字を読むのが大変な人の、子供の場合はたくさん字がスラスラと読めないから、そういう人のために大きな字にしてゆっくりゆっくり読めるようにしてるのね。でも普通の新聞ってのは大人の人に読んでもらいたいと思うから、スラスラ読める人、そうすると字が小さくてもいっぺんに読めるな…というので字を小さくしているのと、やっぱり、たくさん情報を入れたいんだよね。いろんなことを伝えたいと思うから、に入れるんです。一行に何文字入ってるか数えたことあるかな?
こども:ない。
池上先生:あとで数えてごらん。これが新聞によって違うけど、大体11文字から12文字なのね。ところが昔は15文字だったんです。一行に15文字書いてありました。でもこんなちっちゃな字だと読みにくいなとかね、年を取ってくると小さい字が見えにくくなったりする。で、お年寄りが増えてくると、なるべく大きな文字にしたいなって言う人がいて、読みやすいようにしようというので15文字だったのが13になり12になり11になり、というような形で実は少なくなってきたんです。それだけ実は字が大きくなってきたのね。これもとにかく限られた新聞の中にたくさんの情報を入れたい、でも読みにくいと困るよねって新聞社の人達も色々悩みながら字の大きさを決めてるっていうことなんですね。
おねえさん:例えば新聞が本のように厚ければ大きい字でしっかり書いても一杯書けるけれども、そんなに厚いと大変だし。
池上先生:大変だし、限られた中にいっぱい入れたいなという思いで、どうしても小さくなっちゃうってことなんだよね。

フリージャーナリスト 池上彰 先生

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