その他
Q. 風景や人を写真にとるときにきれいにとる方法を教えてください。 (小5・女の子)
A. 長倉先生:写真は風景が色でうつるよね。それをみて「きれいだ」とか思うわけです。ただ、僕達はある意味で色を見なれているんですね。だから、風景をそのまま写真にとっても「うーん、それ見たことあるなぁ」と思ってしまう。
だから、僕は夕方とか朝、普通眼が感じられないようなあざやかな色を写真にとるようにしています。例えば朝なら赤っぽくなるし、夕方は「こがね色」みたいな色がすごくつく時に写真をとります。みんなが、ごはんを食べている時とか寝ている時にそういう光があるんですね。
ですから、「すごくいいなぁ」と思う風景に、そういう時間帯でその色を重ねて取ると、見た人も「こんな風景見たことない。すごいねぇ」という写真がとれるんですね。
また、人間をとるとき。やっぱり知らない人にいきなり写真をとられると緊張しますよね? とるほうもとられるほうも心配するよね。プロのカメラマンなら話をして相手をリラックスさせることもできるけど、普通の人はなかなか難しい。だから、僕がアドバイスできるのは、ひとまず1回写真をとる。どんな恐い顔でも、緊張している顔でもとってあげる。そして、それを見せてあげる。プリントにしたり、デジカメならすぐ見せてあげる。そうするとね、「あぁ、俺、こんな顔してたんだぁ。ずいぶん緊張してたんだ」ととられる人も思うと思います。そうしたら、次にその人が自分で「いい」と思う顔に作ってくれることもあるんです。そして何よりそれを見せることで、「あぁ、この人はこんな風にとってくれたんだ」という安心感や「あんまり悪いところをねらってないぁ」という安心感が出てくるんです。
なんでも1枚目からうまい写真をとれるわけでなくて、やっぱり時間を掛けて2枚目、3枚目でいいのをとるということです。

フォトジャーナリスト:長倉洋海 先生

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