その他
Q. 花火を打ち上げる時、花火師さんは逃げる時間はあるのですか? (小3・男の子)
A. 天野先生:私たち花火師は、まず「花火はこわいんだ」という気持ちを強く持って現場に入っています。「ぜったい花火はあんぜんだ」と思っていると事故が起きてしまいますね。
さいきんはむかしとちがって、手で花火を打ち上げるのではなく、スイッチをポンと押して電気を使うことで、花火があがるようになっています。ですから、花火から100メートル離れて打ち上げる場合も有ります。私たちの会社「鍵屋(かぎや)」では、100%電気で火をつけるようにしています。しかし、花火屋さんの中には、まだ手で花火を打ち上げる所もたくさんあります。そういった時は、火を入れてから花火があがるまで、花火の大きさによって火がつくまでの時間が決まっているので、走って逃げるんです。たとえば10号玉、すなわち尺玉(しゃくだま)と言われる30センチぐらいの大きさの花火の玉は、空の上で開くと300メートルぐらいにもひろがります。「尺玉」は、だいたい6秒ぐらいで空にあがるので、火をつけて「あぶないかな」と思ったら6秒の間をいっしょうけんめいに走って、隠れる場所まで逃げます。
さいきんは、国からなるべくスイッチをつかって火をつけましょうと言われています。

宗家「鍵屋」15代目:天野 安喜子 先生

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