その他
Q. ニュースで見たんですが、どうしてアテネオリンピックの工事は遅れているんですか? (小1・男の子)
A. 長崎先生:実は毎回、遅れているんですよ。オリンピックまで2週間ぐらいになると、どこの競技場ができていないとか、道路ができていないとか話題になります。でも、オリンピックを開くのって本当に大変なことなんです。国も、まちも、そこで働いている人たちが一生分ぐらいがんばらなくちゃできないことなんです。きみはニュースを見ていて、どこか気になった映像とかありますか? たとえば、「道路はこれで大丈夫かな」とか「会場にまだイスがついてない」とか見ました?
男の子:プールの水が入っていないんです。
長崎先生:はははっ、そうですね。それは大変!! 飛び込んだらみんな頭をゴツンとしちゃうもんね。ただ、練習用のプールもありますから大丈夫だと思いますよ。あなたの学校にはプールはありますか?
男の子:はい。
長崎先生:冬のプールはみどりの水になっていたかな。それを泳ぐためにきれいにしたと思うんだけど、今度学校の先生にプールの水を入れるのにどのくらいかかったか聞いてみてくれる?
男の子:はーい。
長崎先生:それと今年のオリンピックは「テロ」が心配されています。いつどこで何が起こるのか分かりません。だから警察の人がいっしょうけんめいパトロールしています。選手の人たちが100%の力を出せるようにみんなを守ってあげなくてはいけないからたいへんです。選手達もおおぜいだし、選手達を応援にする人たちもおおぜいいて守ってあげなくてはいけません。
ゼッターランド先生:オリンピックは、いろいろな国で行なわれます。そうするとその国の人たちの時間のとらえかたもとても違います。
小田先生:そうですね。今、日本人たちから見たらギリシャは遅いと思うかもしれないけど、でもラストスパートが違うんです。日本人はうんと早くやるけど、後になって意外ともたついたりします。たとえば100メートル走るのだってそうです。日本人はスタートダッシュは得意で30メートルまでは世界のトップレベルなんです。そこから50メートルで苦しくなってしまいます。世界のトップ選手は最後の10メートルですっと胸一つ分、のびるわけです。胸ひとつのリードがきちんと計算されたリードなんです。だからギリシャももう少ししたらすっとのびてきて終えてしまうかもしれまえん。ゆっくりゆっくりやりながら、最後に花をさかせるのかな。
長崎先生:あっそうだ、ひとつ思い出したことがある! ヨーコ先生も、わたしもそうだけど私たちが泊まる場所がかんぺきにできていなかった時があった!!
ゼッターランド先生:ありました!!! 天井から水が出てきたり、トイレの水が流れなかったりだとか…。
男の子:えーっ!!!
ゼッターランド先生:練習の合間にモップで「ゆか」をふいていたこともあったもん。
小田先生:きみは外国に行ったことあるかな?
男の子:あります。マレーシアと台湾です。
長崎先生:おおっ。じゃ、いろいろな国の人たちには、それぞれの時間のすごし方があるってわかるんじゃないかな? きっとギリシャの人たちはこれからがんばるんだよ。だから、そのがんばりも見てあげてください。

元水泳選手:長崎 宏子先生/スポーツキャスター:ヨーコ・ゼッターランド先生/スポーツ科学者 京都大学助教授:小田 伸午 先生

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