その他
Q. 古いバイオリンはなぜ音がよくひびくのですか? (小3・男の子)
A.

新しい楽器の中にも良い音がするものはたくさんありますが、古い楽器はたしかに深くていい音がします。これは、本当にむずかしい質問で、じつはかがくてきには分かっていないことがたくさんあります。しかし、よく言われるのは音がでてくるこのスピードが関係しているといわれています。バイオリンは、木で出来ていて中はからっぽで、そこから音がでますよね。古い楽器は木にふくまれるいらない水分などが抜けて音の出てくるスピードが速くなるといわれています。新しいものだと木の中にいろいろな物がつまっていて、音が出るスピードが違っているそうです。だからいい音が出にくいということのようです。
木はいろいろな木がありますがよくツゲの木が良い音がするといわれています。しかし、今生えている木で良い音が出るかと思うと出ないんです。私の楽器は1770年のものですけど、古いものでは1600年代だったりします。しかし、その1600年代の楽器を作るにあたって、いつ頃の木を使っているかというと、実はその楽器を作る前に何百年も寝かせていたといわれています。だから、その1600年代の楽器を作るのに何百年も昔の木を使っているんです。バイオリンをつくるというのは本当に時間がかかるし、本当に大変な作業です。
それにバイオリンはある程度ならさないといい音が出ないとも言われています。ちなみに僕が使っているものは、230年ぐらい前に作られたものですが、色々な人の手に渡っています。前の演奏者の思いもこもっている。バイオリンは、何百年という歴史があるから、それだけにいい音がでるんですね。


バイオリニスト:川畠 成道 先生

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