その他
Q. 橋にも寿命はあるのですか? (小4・女の子)
A.

たとえば、輪ゴムを引っ張ったり元に戻したりをずっと続けているとどうなってしまいますか? 輪ゴムは切れてしまいますよね。ずっと着ているパジャマのゴムみたいに、のびて、切れてしまいます。
それと同じように橋も今は鉄で作ったり、コンクリートで作りますが、出来上がった橋の上を重い自動車が一日に何台も何台も走ります。そのたびにちょうどゴムがのびたみたいになるんです。それを何十年もやっているとやっぱり橋も疲れてきてのびてしまいます。そういうことで、橋にも寿命はあります。
ただ、さすがに橋がのびて、切れてしまっては、たいへんなことになってしまいます。ところが全部こわしてまた作るわけにはいきません。だって、目の前の橋が明日から使えなくなったらこまるでしょう。
だから病気と同じで、のびてしまったところがあったら直してあげます。ていねいに直してあげれば、10年じゃなくて100年でももつと思います。治療しながら使っていくんですね。
それこそ、ストレスがたまりすぎないようにしてあげるんです。人間と同じで定期検診(ていきけんしん)をしてあげるんです。人間ドックならぬ橋ドックです。
ちなみに昔の橋はコンクリートや鉄がなかったので石で作ったんですね。石を積み上げた中国などでの橋は1000年以上使っているところもあります。ところが今の橋は、もっともっと少ない材料で小さく軽く作る事にしているから1000年もつかどうかになると難しいかもしれませんね。
橋をつくる技術は、「綺麗な橋を作る技術」や「はやく橋を作る技術」など色々ありますが、日本の技術は「橋をしっかり作る技術」では世界でもトップクラスなんですよ。


東京大学大学院工学系研究科教授:藤野陽三 先生

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