ヨットでトイレはとても大切です。ぼくみたいに外洋（がいよう）といって、大きな海を走るヨットの場合は、かならず船の中にトイレがついてます。
どういうトイレかと言うと、みなさんがふだん使っている洋式のトイレが付いています。トイレットペーパーとかもポンプをつかって水洗トイレのように流せるんですよ。ちなみにトイレットペーパーはふつうのペーパーです。また最新のヨットレースでは、トイレをつけると重くなるから、あかちゃんのトイレ「おまる」を使います。また、ふつうのトイレがついている大きな客船は東京湾などの小さな海で、トイレのものをそのまま船の外に流してしまうのを禁止しています。ある程度、沖に行ってからじゃないと流せないんです。海が汚くなってしまいますからね。
いやぁ、ヨットでのトイレはたいへんな思いしました。陸の上のトイレとちがってヨットがゆれるので、トイレもいっしょにゆれるんです。だから、まずトイレするときに大切なのは体を固定することです。「ふんばる前にふんばる」が必要なんです。もし、荒れた海の中でひっくりかえってしまったら、自分のおしっこがひっかかっちゃいますからね。
また、かならず、トイレというのは船の中に作られます。これはちゃんと決まっているんです。というのも人間はトイレはしているときは気をぬいてしまうんですね。だからトイレをしている時に、船の外に投げ出されてしまうことが結構あるんです。非常に危ないですよね。

海洋冒険家：白石　康次郎　先生