その他
Q. 小学校の総合学習で世界の子供達の事を調べていて、世界で最もまずしい子供の生活を教えて欲しいです。 (小5・女の子)
A.

世界の子供達の事を考えてくれてとてもうれしいです。ありがとうございます。
では、大きい数字を言います。まず毎年、1100万人の子供達が5歳になる前に死んでしまいます。つまり、8秒に1人死んでしまうんです。これは、小学校に入る前の子供達のみです。これを18歳まで数えると、数え切れない人数になってしまうそうです。
おもな「げんいん」は、まず「あんぜんな水」が飲めないんです。貧しい国では一番基本なあんぜんな水も、口にすることが出来ないんですよ。そして食べ物がない。これも大きなげんいんです。食べるものがないと子供達は体力がない。病気になっても自分でなおせない。そのうえ、お医者さんがいない、薬がない。だからそういう「げんいん」で子供達がどんどん死んでしまうんです。
私は「戦争中の国」や「まずしい国」などいろいろな国に行って見ているのもつらいようすを見てきました。その中でもまずしい国は本当につらい。
お父さんお母さんが畑を作るのですが、土が良くないからどうしても食べるものが作れない。そして、食べるものがなくなってしまう。で、今度は町に出る。でも、仕事がない。今でもたくさんの子供達がうえているんです。
さっき言った1100万人以外にも世界には子供達がたくさんいます。しかし、その1100万人以外の子供達も60パーセントは栄養が足りなくて死にそうなんです。また、1億5千万人いる小学校から中学校ぐらいの子供達は、学校に行けていません。学校に行かないで、お父さんお母さんを助けるために食べ物を集めるためにはたらいているんです。この人数が2億5千万人です。この数字は、日本2つ分の人口です。そのくらいの子供がすごくきびしい状況で働いています。
わたしが見た中で一番つらいのは、家の中に食べ物がなく、お母さんがその子を悪い人に売ってしまうのです。お金は、600円とか1000円ぐらいなんです。その子は外国に連れられて働かされます。そういう状況の中で働いている子供達がたくさんいるんです。どう? 大変でしょう。そういう子供達はみんな私達の助けをまっているんです。どんな小さな助けでもまっているから、あなたの心の中に覚えておいてください。


ユニセフ大使:アグネス・チャン 先生

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