その他
Q. 新聞記者はどのようにして情報を集めて、何時間ぐらいかかって新聞を出すの? (中2・おとこ)
A.

ぼくは「元」新聞記者だから、今とは違うかもしれないですよ(笑)。新聞記者はその人によって、政治、経済、文化、スポーツなど、取材する分野が決まっています。さらに海外に特派員(とくはいん)をおいたり、日本ならば人口5万人以上の町に支局をおいたりしてニュースを集めているんですね。

そしてそれぞれが集めたニュースは本社の編集局(へんせいきょく)に飛び込んできて、編成局が新聞にどの記事やどの写真をのせるかを決めていきます。次に、整理部(せいりぶ)の人がその中からどれが重要か順番に並べ、記事をどの長さにするかなども決めます。

そして校閲(こうえつ)と校正(こうせい)という作業で、字や言葉の使い方が間違っていないかを調べて印刷工場に記事を送ります。工場では、デジタル技術を使って「鉛版(えんばん)」と呼ばれる新聞記事のはんこのようなものを作ります。

次にこの鉛版(えんばん)を二つ組み合わせて、輪転機(りんてんき)という印刷の機械にセットします。輪転機は、鉛版がくるくる回りながら新聞を印刷するところからついた名前です。そしてこの輪転機から印刷された新聞が出てきて出来上がり、というわけです。

ここまで、記事が本社に送られてから、早いと30分ぐらいでできてしまいます。ですから、東京に本社がある新聞社だと東京で起こったニュースは、発生から2時間ぐらいで新聞にのりますね。最近はデジタル技術のおかげで本当に早くなったんです。写真も、今までのカメラは「暗室(あんしつ)」という部屋で3分ほどかけて写真にしていたんですが、今のデジタルカメラならば、とった写真が直接印刷工場に行ってしまいますからね。本当にすごい時代になったなぁと思いますね。


自動車評論家・三本 和彦 先生

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