昔からおもちにはよくカビが生えますが、これがどうしてかというとカビはお米がとくに好きなんです。あなたのお家のおもちに生えたカビは何色かな?
こども:緑と白がまざってる
なるほど。緑のカビは「コウジカビ」「青カビ」という名前のもので、「白いカビ」は「クモノスカビ」「ケカビ」というものです。冬の間にいるカビは、そんなに悪いカビではないんですよ。おもちについている緑のカビもほとんど毒を作るカビではないんです。
ですからそのカビをよくゴシゴシしたり、水の中でたわしで洗ったり、水に1日つけておけばカビを作ったいろいろな成分が水に溶けだしてしまいます。そうしたらお雑煮なんかにしても大丈夫だし、おいしいですよ。
ただ、中には「カビ毒」という毒を作るいけないカビがいます。カビ毒でいちばん恐いのは外国産の生米に入っているカビで、非常に恐い「アフラトキシン」という猛毒をつくることがあります。めったにないですけどね。
逆に、青カビは人間にとてもいい働きをしてくれて、抗生物質(こうせいぶっしつ)を作ってくれます。カマンベールチーズやブルーチーズにはわざわざカビが入っていて、ブルーチーズの中のカビはおもちに入った青カビと同じものなんです。
それと、びっくりするかもしれないけど、キノコ食べたことあるでしょう。あれも実はカビの一種です。カビには食菌(しょっきん)といって食べられる菌もいて、体にとても良いことをするんですよ。カビは悪いことばかりするんじゃないんですね。
東京農業大学教授・小泉 武夫 先生
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