その他
Q. 衆議院の解散のとき、どうしてみんなでバンザイをしたんですか? (小5・おとこ)
A.

「バンザイ」は意外と新しいんですよ。たとえば時代劇を見ていても、織田信長や武田信玄は「バンザイ」って言わないでしょ?確か明治23年だったと思いますけどね、偉い方が出てくるときなどに「バンザイ」って言おうと決めたんです。

だからそれまでは日本人は「バンザイ」と言ったことはなかったんですね。その頃の面白い話があってね。自動車がなくて馬のほうが多かった時代、馬がバンザイという声に驚いて、急に走り出したりした事があったのね。

で、馬小屋の前でバンザイと言って馬にバンザイというのを慣れさせたことがあったんだって。そして、この言葉は中国の「マンセイ」っていう言葉が発祥(はっしょう)で、中国の式典などを見ていると、みんなで「マンセイ、マンセイ」といってます。字の上でも、「万歳(マンセイ)」というのが「バンザイ」になったんですね。

じゃあ昔はなんて言っていたかというと、「イハサカ」と言っていたんですよ。それが国会議事堂ができて、昔の憲法が出来たときに「こういう節目節目には皆でバンザイと言おう」と決めたんです。うれしいとか悲しいとかではなくて、節目の時。「終わった〜」とか「始まった〜」とか。

だけど、今の国会でやっているバンザイはそういう意味を考えてやっている人は一人もいないと思います。国会にいる人はあまり深い意味を考えない人たちですから。だから習慣でやっているんだと思います。


放送タレント・永 六輔 先生

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