その他
Q. 神谷さんは色々な声を出すけれど、どうやって声を変えるんですか? (小3・おんな)
A.

よく「声優さんは七色の声」というようなことを言われますね。そんな中でもすごいのが、ぼくの大先輩・中村メイコさん。ぼくも小さいころラジオで聞いていて、「どうしてあんなにたくさんの声が出るんだろう」と不思議に思ってました。その頃はまさか自分が同じような職業をするとは思ってもみませんでしたね。

で、どうやって声を変えるかなんだけど、まずはこれが「普通の声」ね(普通のままの声で)。それをこうやって高くしていくと少年ぽくなるでしょ(ほんとに声が変わった!)。逆にちょっと声の高さを落とすとお兄さんの声になるんだ(少し大人っぽい声)。さらにもっと落として低い声を出すと、ほら、今はおじさんみたいでしょ(かっこいいおじさんの声で)。

こうすると「普通の声」だけでも3種類使い分けることができるよね。さらにキン肉マンや毛利小五郎の声の時はノドを少しつめるの。オットセイの鳴き声みたいに、こうやって「オウッオウッオウッ♪」という声を出すと、お相撲さんみたいでしょ。

あとは、「裏声」。これはぼくの大先輩で、田ノ中勇(たのなか・いさむ)さんという方がいるんですが、その方は全国でいちばん有名な裏声のキャラクターをやっているんですよ。それは「おい、鬼太郎!!」(目玉オヤジのまねで)でおなじみの目玉のオヤジの声なの。

他にも「鼻声」なども組み合わせることが出来ますよ。これらをキャラクターにあわせて使い分けるんですね。キャラクターの声を決めるのは、台本を見たときではなくて、キャラクターに対面したその時なんです。最初から作るのではなく、キャラクターに合わせて声が生まれてくるという感じかな。瞬間的にひらめくことが多いんですよ。


声優・神谷 明 先生

[戻る]