その他
Q. トンネルの中の照明はどうしてオレンジ色なんですか? (小3・おとこ)
A.

キミはどうして気がついたのかな?

こども:秋田のおばあちゃんの家に行ったときにトンネルに入ったから…。

そっか。普通の道路では銀色の照明が多いよね。青っぽい光のやつ。あれは「水銀灯」っていうの。 で、トンネルの中はそうじゃなくて、オレンジ色だよね。なんだかトンネルの中だと、なにもかも変な色に見えておかしいんだよね。
あれは「ナトリウム灯」っていって、光の出てくるもとが違うんです。キミはイギリスの首都の、ロンドンって街を知ってる?ここはね、飛行機で着陸するときに下を見ると、町中の明かりが、やっぱりオレンジなの。
なんでだろうと思ったら、ロンドンは普段から、とっても霧が多い街なんです。そういうお天気の中では、青っぽい光の「水銀灯」だと、まわりの水蒸気に光が吸われて、水の分子に散らされてしまうので、うまく光が遠くまで届かないんだって。
それがオレンジ色の「ナトリウム灯」だと、光がずっと遠くまで通るんだってさ。それと同じでね、トンネルの中も、特に自動車用のトンネルって、長いところが多いでしょう?
そうすると、排気ガスとかがいっぱい出ているから、トンネルの中が煙っちゃって、ロンドンの街と同じように、光が遠くまで届かないんだよ。そういう時には、青っぽい光の「水銀灯」よりも、オレンジ色の「ナトリウム灯」の方が、よく見えるんだって。そのためにわざわざあの色にしてあるんだよ。
だから、外国の飛行場のまわりなんかでも、霧の多いところだとオレンジ色だったり、そうじゃなかったら銀色の照明だったり、いろいろあるからね。キミが大きくなって、いろんなところに行くチャンスがあったら、ぜひチェックしてみて。とっても面白いと思いますよ。

イラストレーター・ヒサ クニヒコ 先生

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