どうして27歳って思ったのかな？

こども：学校の体育の先生が27歳だから・・・

なるほど。確かにそうだよね。別に年をとっているからえらいとか、若いから未熟だとかっていうことはないよね。その人その人の能力だし、特にお仕事をする場合には適性（てきせい）っていって「むき・ふむき」があるからね。
ただね、政治のリーダーになるには、まず選挙で選ばれて議員にならなければならないのね。その選挙に出られる年齢っていうのが決まっているんだよ。被選挙権（ひせんきょけん）っていうんだけども、日本の場合だと、衆議院議員（しゅうぎいんぎいん）と地方議会の議員、それに市町村長は25才以上、参議院議員と知事は30才以上でないと、選挙に立候補できないのね。
ちなみに投票は、20才にならないとできないんだけどね。そして議員になって、世界のしくみとか、経済のしくみとか政治のことを、いろいろと勉強しなければならないんだ。そうするとやっぱり何年もかかるわけ。
だから、20代の大統領とか総理大臣が出てきてもいいんだけど、やっぱり国のリーダーだから、国を引っぱっていくためには、いろんなことを知っていなくてはならないでしょ。それから、未来のこともきちんと考えていなくてはならない・・・。
そうすると、20代だと、まだ経験や蓄積（ちくせき）が充分でないからちょっと難しいんだよね。だから、若くても30代の終わりから40代ぐらい・・・アメリカの場合は、ケネディが43才で大統領になったのが一番若くてね。
その時はアメリカは元気がよかったので「若い人がいい」って大評判だったんだよ。今のクリントン大統領は、実は僕と同じ年なの。これを若いと見るか、年とってると見るかは微妙なところですけどね。でもクリントンも40代で大統領になったから、結構若いほうですよね。
若い人のほうが元気だし行動力があるからいいんだけども、やはり国のリーダーである大統領や総理大臣になるには、たくさん勉強しなければならないから、なかなか20代では、なれないんだよね。でもそういう優れた人は、たとえ20代でなれなくても、35才とか40才でなれるかもしれないね。

科学ジャーナリスト・中村　浩美　先生