神津先生：あのね、昔はね、本当にお殿さまの身の回りのお世話をする人ってのは、限られた人ばかりだったんですよ。だいたい男の子で、お殿さまの周りにおいても大丈夫なところの男の子であったり、ちょっと見た目に可愛げのある男の子だったり……（笑）

的川先生：織田信長って人のそばにね、森蘭丸っていうお小姓さんが最初にいて。でも大きくなったら、そんな仕事やらせられないから、きちんとした大人の仕事を与えて……。けっこう出世してますよね。お殿さまのお気に入りが多いからね。

ヒサ先生：たいていいい家臣の子供とか、そういう人をそばでお世話する方にするんですよね。で、ある歳になるとだんだんいい役職について……。出世コースの始まりですよね、お侍の社会では。

エッセイスト・神津　カンナ　先生