その他
Q. どこの床屋さんにも赤と青と白の看板があるんですけど、それはどういう意味があるんですか? (小5・おんな)
A. まずね、ハサミとか刃物を使うお仕事って何があるかな。お料理を作る人もそうだよね。洋服屋さんもそうです。そして床屋さんがそうですよね。みんなハサミとか刃物を使います。
こういう、刃物を使うお仕事は、昔は特別の許可を得なければできなかったんです。そうでしょ、刃物を持ってそばに立ってるんだもの、誰でもできたらこわいよね。だから「この人は大丈夫ですよ」っていう許可を得なければいけなかったの。
その中でも床屋さんは実際に刃物で顔をそったり、髪の毛を切ったりということをするから、お医者さまじゃないとできなかったんです。そういうのは外国の歴史なのね。お医者さまってことになると、あの赤と青と白って分かるかな?
赤は動脈(どうみゃく)で青は静脈(じょうみゃく)。どちらも人間のからだの中の、血液が流れているところね。そして白は包帯のことを示すんです。だからあの赤と青と白という色なの。
そこでね、この色の事だけじゃなくて、どうして「床屋さん」って言うのかなっていうことも感じてほしいの。日本では昔、床屋さんは本当に床(とこ)、つまり床(ゆか)で仕事をしてたんです。お店を構えることができなかったのね。
今でも東南アジアに行くと、お店じゃなくて外の木陰なんかに台をおいて仕事をしてます。その台が床(ゆか)ってこと。台、つまり床(ゆか)をおいてする仕事が床屋(ゆかや)さん、床屋(とこや)さんになるんです。
それぞれの職業にいろんな歴史があるんだよね。もとはお医者さまの仕事だったから、動脈と静脈と包帯の、赤・青・白、その色の看板がいまでも残っているというわけなの。わかったかな?

放送タレント・永 六輔 先生

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