その他
Q. どうして人間は戦争をするんですか? (小5・おんな)
A.

これは本当に難しい質問です。僕自身、ここでうまいことを言おうとは思いません。だからキミにも分かってもらえるかどうか分からないけど、僕が今、世界各地の戦争を取材していて思ったことを話します。
戦場に行くと、戦っている人たちっていうのは、自分達が正しいと思っているんですね。みんな自分達が正しくて相手が間違ってるんだって。自分達の正義をつらぬくために相手を傷つけ、自分達も傷つき、戦ってるんですね。
ところがその状況というのは、客観的に見ると両方とも間違っているし、時に両方の側に付けば、両方とも合っている、というふうに大変難しいんです。最近は民族紛争とか宗教戦争などが多いですけど、今や、民族や宗教の数だけ戦争が存在するんですね。
彼らが自分達の正義を振りかざして戦った時に戦争が起きるんです。それじゃあ、なぜ戦争が起きるのか、ということをもっと分かりやすく言えば「大人の愚かなケンカ」とも言えるんじゃないかなって思いますね。
例えば、キミは友達とケンカをしたりすることがありますか?

こども:はい

その時、やっぱり自分は正しいと思ってケンカをするんだよね。

こども:はい

大人も同じように、時として、とても愚かなケンカをしてしまうんですね。それが普通のケンカと違うところは、武器があって、その武器で相手をたくさん殺してしまって、取り返しのつかないことをしてしまうということなんです。
人間の歴史って「戦いの歴史」って言われてますし、これからも戦争って無くならないのかも知れないけれど、私たち日本人は50数年前に、憲法で「戦争はしないんだ」って誓った国です。だから私たちだけでも「戦争はしないぞ」って言い続けながら、頑張っていかなければならないと思います。

戦争ジャーナリスト・山路 徹 先生

[戻る]