その他
Q. なると巻には、どうして「の」という字が書いてあるんですか? (小1・おんな)
A.

紅いうずまきのこと?

こども:そう!

いや〜、僕はあれが「の」という字だなんて思ったことなかったよ。う〜ん、まいったなぁ(笑)。確かに、なると巻を切っていくと、金太郎飴みたいにどこを切っても、全部に「の」が書いてあるように見えますねぇ。
あれはね、「まきす」っていう、すだれのような料理道具があるの。これは、お料理で何かを巻くときによく使うんだけど、例えばのり巻きを作るときだったら、「まきす」を広げてノリを置いて、その上にごはんを乗せて具を乗せて、グルグルグルって巻くんですね。
そうするとのり巻きが出来るんだけど、その時に横から見ると「の」の字ができてるのよ!う〜ん、何て言ったらいいのかな〜。今のでわかった?

こども:わからな〜い!

そうだよね〜

一同:爆笑

あのね、そもそも「なると巻」って何かと言うと、まず、お魚の白身をすりつぶしたものを広げます。その上に、同じお魚の白身に「食紅」っていう紅い色のもとを加えて紅いすり身にしたものを重ねて伸ばします。
そしてそれを巻いたものが、あの「なると巻」なんだけど、巻いたときにその紅い部分がちょうど「の」という字の格好になるんだね。白いのと紅いのを重ねて巻いたものを切ってあるから、紅い部分が「の」の字に見えるってことなんだ。
「なると」の一枚一枚に「の」の字が書いてあるわけではないんだよ。ほら、お菓子で、巻いてあるお菓子があるでしょう?ロールケーキとかさ。あれなんかも横から見ると「の」の字の形に見えるはずだよ。
ちなみにね、そもそもこの「なると巻」は九州の方で出来たものなんだけど、クルクル巻いて出来た「の」の字が、兵庫県の淡路島と四国の徳島県を結ぶ「鳴門(なると)海峡」っていうところのうず潮に似てたから「なると巻」って名前がついたんだって。おもしろいね。

服部栄養専門学校 校長・服部 幸應 先生

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