その他
Q. お葬式に黒い服しか着ないのはどうしてですか? (小2・おんな)
A.

キミはお葬式に行ったことがあるのかな?

こども:7月におじいちゃんが死んじゃったの

そうか…、その時、亡くなったおじいちゃんは白いお着物を着ていたでしょう?そのお着物を「死に装束(しにしょうぞく)」といいます。
それに対して、お参りする人、つまり、亡くなった方をあの世に送り出す人たちは、今、キミが言ったように、黒っぽいお洋服を身につけるのね。世の中にはあの世とこの世があって、この世にいるキミは花柄だったり、いろいろな色のお洋服を着ているでしょう?
それは生きていて面白い、楽しいっていう証拠なのね。お葬式のとき、白と黒の幕がはってあったと思うんだけど、それは白と黒という色が、一番静かな・ものを考える・地味な・人を偲ぶ・など、色々なことに合っているからなんですね。
あとは、白と黒があの世とこの世を表わしているから、この世からあの世に行く儀式のお葬式では白と黒を使う、とも言われるの。朝鮮半島っていうところのお葬式は、みなさん真っ白です。
それから、イスラム教とかキリスト教もそうなんだけど、着ているものは普通のお洋服でも、頭からかぶるショールなどは、白かったり黒かったりするんです。
あと、お葬式のとき、おじいちゃんのまわりに、たくさんお花があったでしょう?それはね、おじいちゃんがあの世できれいなお花に囲まれていますっていう演出なの。
だからお葬式の場所では、亡くなった方を派手やかにするために、送るほうの人は、一番地味なもの、つまり黒い色のものを身につけておじいちゃんを偲ぶのね。それから、お坊さんの衣裳は、白の上に黒でしょう?それはなんでかというと、お坊さんは、あの世とこの世の真ん中にいるからなんです。
キミがまたおじいちゃんのお墓参りに行った時にでも、お坊さんに聞いてごらん。もっといろいろ教えてくれると思いますよ。

放送タレント・永 六輔 先生

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