キミは山登りに行ったの？

こども：はい。秋に行きました。

結構涼しかったでしょう。山登りの服装は、季節や場所によっても変わってくるんだけど、まずは動きやすいことが第一、それから軽いということも必要ね。そして、寒さが防御できるかどうかが大事です。
これからの季節は寒いから厚着をするけど、山に登っていると汗をかくでしょ？そうすると、たとえば一番下に綿のTシャツなんかを着ていたら、汗を吸って、その汗が冷えると急に体の温度が失われちゃうの。だから一番下には、毛や化学繊維のものがいいですね。最近はフリース地だとか、ペットボトルなどから再生された化学繊維のものがあって、そういうのは汗を放散するので適していると思います。

あとは場所の問題。
たとえばヨーロッパなんかでは、「ここは人間が入ってもいい山」というふうに決まっているのね。そういう場所であれば、なるべく派手な服装をした方がいいです。それは、道に迷ったりした時に目立つ服装のほうが見つけやすいからなの。雪山なんかの時も、なだれに遭ったりした時に見つけやすいように、やっぱり派手なほうがいいですね。
山によっては自然保護区のようなところがあって、そういう場所は、動物のすみかに人間がちょとおじゃまさせてもらうわけだから、まず、白い洋服は絶対にダメ。動物をおどろかしちゃうから。鳥も来なくなっちゃうからね。
だから派手な色はさけて、紺色とか黒とかで、まわりのものに迷惑をかけないようにすること。自分でも鳥や動物を見たいのに、洋服の色のせいでみんな逃げていっちゃったらつまらないじゃない？

だから、登る山によって、そこがどういう場所なのかによって、それに合わせるということも大事です。

登山家・医学博士・今井　通子　先生