その他
Q. 日本三景には、なんで富士山が入ってないんですか? (小3・おんな)
A. 日本三景っていうのはどこだか知ってる?
「安芸の宮島(あきのみやじま)」と「天の橋立(あまのはしだて)」、それから「松島(まつしま)」だよね。 確かに富士山は入ってないんです。百科事典を見れば、たぶん3つとも写真が出てるからわかると思うんだけど、3つとも全部、海岸の風景なのね。それで岩があったり砂浜があったり、それから木がいっぱい生えていたり…と、なっていて、とても「日本的な風景」として、とらえているみたいなのね。
富士山だと山だけの風景でしょ、なかなか海岸の風景にはならないのよね。
だから日本的なムードがあるっていうのは、日本独特の松みたいな木が生えていて、海岸があって、岩がごつごつしていて、で、そこに何か建物があるとかそういうものをいっぱい兼ね備えているものを「日本三景」としたみたいです。
だから富士山自体はすごく立派な景色だけれども、日本的なものをその中にたくさん持っているかっていうと、そうでもないでしょう? そのあたりが理由のようです。1つはその風景のこと。
それとね、もう1つは、やはり、そこに歴史がいろいろと関係あるみたいで、例えば、「天の橋立」のあたりとか、それから「松島」の方には、伊達氏が何かをつくったとか、平氏が何かをつくったというように、歴史のつながりも全部くっついて、ちょっとそういう歴史的な理由もあるみたいなんですね。当時の権力を持っていた人達の建物なんかもあったために、日本三景の中に取り入れられた、という事もあるみたいなんです。
というわけで、全体的に言うと、景色が、何か日本的なモノを全部持っているような景色を「日本三景」という風にしたみたいですよ。

エッセイスト・神津 カンナ 先生

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