のりもの
Q. ふつうのひこうきで音速(おんそく)のかべはこえられると聞いたのですが、ねつのかべはこえられるのですか? (小4・男)
A.

音速(おんそく)とは、音がつたわるスピードと同じぐらいの速さのことをいいます。「マッハ」というたんいではかりますが、音は空気の中を波になってつたわっていきます。だから、音速というのは、とんでいる場所の空気の「みつど」、つまり空気のこさによってスピードがかわってくるんです。
そして、「音速のかべ」というんだけど、音速にはげんかいがあるんですね。このかべは、ふつうのひこうきではこえられないのですが、「超音速(ちょうおんそく)のひこうき」といって、軍がつかうひこうきなどでこえられるものもあります。そして、「ねつのかべ」もあります。それは、ひこうきがねつにたえられるかということなんです。このねつは、摩擦熱(まさつねつ)といって、ものとものをこすりあわせて出るねつのことです。このばあいは、空気がひこうきにぶつかると、ねつがでるんですね。ですから、ひこうきがどのようなざいりょうで作られるかによってこのねつはかわりますよね。そして、マッハ3、つまり音速の3ばい以上のひこうきをつくるときには、「ねつのかべ」と「音速のかべ」のかべが、どうじに問題になることがあります。どうしてかというと、ひこうきは、ふつう「アルミ合金(ごうきん)」というものでつくられているのですが、マッハ3で飛ぶと、摩擦熱でとけてしまうんです。だから、マッハ3でもとけないざいりょうを作っているところです。音速をこえて、さらにねつのかべをこえるには、いいざいりょうがなくてはいけないんですね。


科学ジャーナリスト:中村 浩美 先生 先生

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