じつはね、ロケットをとばす時のなやみが2つあります。
ひとつは、地きゅうからしゅっぱつしていくときに、地きゅうが「引力(いんりょく)」という力でロケットをうしろからひっぱるということ。
そしてふたつめは、すすんでいく先に「空気」があるということなのです。
ロケットがすすんでいくには、地きゅうがじぶんのほうへひっぱろうとする「引力(いんりょく)」にさからいながら、空気をかきわけていかなくてはなりません。その時、地球がロケットをひっぱる力は、エンジンの力をつかってきりぬけていきます。
そして、「空気ていこう」といって、空気にじゃまされることをきりぬけるために、先っぽがとんがった形をしているのです。
つまり、空気をかきわけるためなんだよね。ロケットの先がひらべったい板みたいになっていると、はやいスピードで飛んでいくのにものすごく大きな力がかかってしまうのです。それが、細くてとがった形になっていると空気のつぶの中をとんでいくのにとてもかんたんにとんでいけるのです。
ただ、高さ200キロとか300キロのうちゅうにでると、ほとんど空気がなくなります。そうなるとべつにとんがっていなくても、だいじょうぶで、まるくてもいいし、「しかく」でもいいのです。ただ、ロケットを作るには、まるいほうがつくりやすいのです。ロケットをつくるとき、いろいろなかたちを地きゅうでテストしたのですが、いまのかたちがいちばん空気のじゃまをうけませんでした。しんかんせんなど、はやくうごくものはみんな先がとんがっているでしょ。あれはすべて空気など、いろいろなじゃまをかわしていくためのものなんですね。そうしていろいろなものを見てみると、もっとたくさん先がとんがったものがあると思いますよ。
宇宙科学研究所:的川 泰宣 先生
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