のりもの
Q. さっき水素(すいそ)で車が走ると言っていたんだけど、事故などがおきたときに、水素ってばくはつするんじゃないですか? (中3・男)
A.

水素(すいそ)で走る車のじっけんをしていたとき、多くの科学記者(かがくきしゃ)が同じしつもんをしていました。

車を作った人がいうには、もし水素が入っているタンクがこわれたら、ばくはつするかもしれないということです。ただ、このタンクにはこわれないようなしかけもありますし、このタンクそのものがとてもじょうぶなんだそうです。もちろんだいじょうぶかどうか、なんどもじっけんをしたそうです。

ただ、このじっけんは、事故が起きたようにぶつけてみたのではなく、タンクを高いところからおとして、われたところはあるかどうかのチェックなどですましているそうです。そのじっけんで、この車をつくった人は、タンクがこわれて「水素ばくはつ」するということはないだろう、というけっかを出したのです。

しかし、私はタンクが事故などでこわれる可能性はあると思うんです。だからタンクをこわさないような工夫がもっともっと大切だと思っています。たとえば、水素の入ったタンクを車のタイヤの右と左のあいだに入れておくとか、ばくはつするほどの大量なガスが出ないような方法を考えなくてはいけません。

アメリカやヨーロッパではこういった水素で動く車が道路を走っても良いことになっていますが、日本ではいろいろなルールがあって、道路を走らせることはなかなかできないんです。

あとね、その水素のタンクは宇宙衛星(うちゅうえいせい)用のタンクの作りと同じなんです。だから、たしかにがんじょうかもしれないけど、とにかく値段が高いということもありますね。


自動車評論家・三本 和彦 先生

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