のりもの
Q. 飛行機の翼の上の面だけがふくらんでいるのはどうして? (小6・男)
A.

ものすごくいいところに気が付いたね。それは写真か何かで見たのかな?

こども:図鑑で見ました

じゃあ、その図鑑は断面図(だんめんず)で書かれていたんだね。翼の断面の設計は、「翼型(よくがた)」といいます。実はこの翼のふくらみが飛行機を飛ばすのにすごく大切なんだよ。

なぜかというと、飛行機が浮くための力のことを「揚力(ようりょく)」というんだけど、その揚力は飛行機の翼の断面の形、つまりさっき言った「翼型(よくがた)」にものすごく関係があるんです。飛行機はスピードを出して滑走路を加速していくでしょ。そうすると翼のところに空気が流れるよね。で、飛行機が空を飛ぶには、翼の上を流れる空気と下を流れる空気のスピードがちがわなければいけないんです。そのためにわざと翼の上の面にカーブをつけてふくらませているんだよ。つまり、翼の上を流れる空気が速くて、翼の下を流れる空気が遅いと、空気が飛行機を持ち上げてくれるんですね。

そのために飛行機の「翼型」というのはいろいろと研究されてきました。飛行機のをどのように使うかという目的や、どれくらいのスピードで飛ばそうか、どれくらいの大きさにしようか、ということを考えて何回も何回も設計して、いちばん合ったふくらみをさがすわけなんだ。だから飛行機の設計のときには翼の部分はとっても重要で、しかもキミが気付いた翼の上のふくらみをどうふくらませるか、これがすごく大切なんですね。


科学ジャーナリスト・中村 浩美 先生

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