のりもの
Q. 昔の丸の内線は、ポイントに入るとどうして電気が消えたの? (小6・男)
A.

丸の内線は東京の中心をまわる地下鉄で、第二次世界大戦の前に出来ました。そしてそれよりさらに古い地下鉄が「銀座線」なんです。この「銀座線」と「古い丸の内線」は、普通の電車とすこし仕組みが違うんですね。

普通の電車は天井に「パンタグラフ」があってそこに「架線(かせん)」という電線があり、そこから電気を取ってモーターを回して走ってるんです。だけどね、地下を走る電車の場合、パンタグラフをつけようとすると、その分トンネルを大きく掘らなくちゃいけないよね。そうしたらお金が一杯かかってしまいます。

そこで「銀座線」や「丸の内線」はトンネルを小さくして、パンタグラフのかわりに「シュー」という鉄の舌のようなものを車両の下から出しました。この「シュー」というのは「くつ」という意味なんだけど、それを電気が通っているレールに当たるようにして、電気を取っていたんですね。

ところが、時々ポイントなどでレールの形を変えなくてはいけないときがあります。そうすると電気の通ったレールを引けなくなってしまうので、そこをシューが通り過ぎるときだけは電気をとれなくなってしまうんです。昔の電車は電気を蓄えておく力がなかったので、その瞬間だけは電気がぱっと消えてしまっていたんですね。

いまは、電車のほうを工夫して、車両の中に電気を貯めておけるようにしたので消えることはありません。電車もどんどん進化しているんですね。


レールウェイライター・種村 直樹 先生

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