普通の自動車にカミナリが落ちた例はあるんですが、機械が壊れてしまったなどの被害は今までありません。ラジオが聞こえなくなった例はあるらしいんだけどね。中にいた人が被害を受けたという例もありません。

どうして中にいた人がなんでもなかったかというと、それは車の外側に電気を通しやすいものがあるからなんです。それを伝って、電気が地面などに逃げちゃうんですね。実験で試してもそういう結果が出ます。

で、電気自動車はどうかというと、素材は普通の自動車と変わらない場合があります。だから、落ちることは落ちるのかもしれません。仕組みを考えても、普通の自動車はエンジンとモーターがついているんだけど、電気自動車はエンジンがなくて、その代わりにモーターがついているんですね。だから、どちらにしても電気は自動車の中に閉じこめられているので、カミナリの落ちやすさはたいして変わらないんじゃないかな。でも、実際に電気自動車を使った実験の結果は聞いたことがないので、今度いろいろなところに聞いてみたいと思います。

あと、カミナリが落ちたときの被害というのは、その中を電気がどれくらい流れるかによってきまるんです。そうすると、人間より車の方が電気が流れやすいでしょう？だからどうしても被害は人間よりも車の方にいっちゃうんだよね。だからカミナリが鳴ったら、すぐ車の中に逃げ込んだ方がいいかもしれないね。

自動車評論家　三本　和彦　先生