自動車のエンジンはガソリン、軽油、石油、ガスなど、いろいろなものを燃料にして動かすんだけど、じゃあクーラーはどうやって動かすかというと、エンジンが、車を走らせる力のほかに、クーラーのポンプも一緒に回してるんです。
だからクーラーそのものは動力を持っていなくて車のエンジンを動力源としているんです。クーラーはどうして涼しくなるかというと、人間が人工的に作り出したフロン・ガスを使っているんです。
フロンを圧縮すると液体になります。その圧力を少し緩めると「気化」といって、ガスのようになろうとします。その時に熱を奪うんだよね。
それで、涼しくなるわけ。フロンは、無害なガスと思われていたんですが、実は、空中に放すとオゾン層を突き破ってしまって、太陽から出てくる紫外線をじかに通してしまい、人間の生活のためによくないということが分かったんです。
それで人間は、また新しいガスを作ってやっているわけです。

ヒサ：自動車のクーラーはエンジンが止まってたらダメなんですか？

ダメですダメです。ですから、エアコン専用の小さいエンジンが別に付いたバスもあるんですよ。エンジンを切っても涼しさを保てないかという研究もされているんですよ。

自動車評論家・三本　和彦　先生