のりもの
Q. 自動車工場について勉強してるんですが、1台の車を作るには、どのくらいの時間がかかるんですか? (小5・おとこ)
A. これはね、はかり方にもよるんだよ。例えば、1枚の鉄板を車の形にする作業があるでしょ。これを自動車会社が全部やってるかっていうと実はそうでもないんだ。
「サプライヤー」といって、自動車会社に協力する会社があって、そこが作るものもあるわけ。その作業の時間をどう計算するかって問題があるよね。でも、生産ラインに乗ってから、つまり、組立作業に入ってからの時間なら分かります。車に何かを取り付けて、次の場所に行くまでを、一行程(いちこうてい)って言うんだけど、前の組から後ろの組に行くまでの時間をはかれば、その時間が組立が始まってから終わるまでの時間なの。これを「ラインタイム」というだけどね。でも自動車会社はその時間をなかなか教えてくれないんだ。
その会社の技術具合が分かってしまうからね。でも、今まで発表されたもので僕が知ってるのは、世界中がびっくりしたんだけど、30年前にフォルクスワーゲンという車が56秒で出来たというもの。1分もかからないで生産ラインを出てくるってことだよ。すごいよね。
ただ、これも生産ラインが何本あるかは公表してないわけだから、4本あって1分間に1台なのか、もっと多いのか、その辺がよくわからないんですよ。だから、工場を自分で見て、自分ではかってみなければわからないってことだね。子どもがストップウォッチを押すのなら、案内してる人も不思議に思わないだろうから、工場見学に行って、はかってみるのもいいかもね。

自動車評論家・三本 和彦 先生

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