のりもの
Q. 車は180キロも出せないのにメーターはどうして180キロまであるんですか? (6歳・おとこ)
A. その問題はよくきかれるんだよ。
日本では自動車が一番速く走れるスピードは1時間あたり100キロメートルと決まってますね。
でも、実は100キロメートルまでと決めている国はそんなに多くはなくて、スイスは100キロメートルですが、他のヨーロッパの国では、130キロとか140キロとかありますし、ドイツの一部ではスピード制限が無いんです。それと、東ヨーロッパの方ではスピード制限はありますけど、車の数が少ないので、実際に車を使ってる時には150キロとか160キロとかのスピードで走っている車はたくさんいます。
自動車はいろいろな能力がなくてはいけないのですが、一番大事なのは、速い速度で安全に物を運ばなくてはいけないわけね。だから、速く走ると言うことは絶対に要求される事なんです。
ただ、日本の場合は100キロまでしか使わないのに180キロまでメーターがあるのはおかしいなと思うんですけどね。
ただ日本の車は不思議な性能を持っていて、180キロまでは全能力を発揮できて、それを越えると全能力が止まってしまうという車で、日本だけがこのような車を造っています。
日本では、時速180キロを超えると燃料がエンジンにいかない様な仕掛けが付いているの。でも、実際に速いスピードで車を使っている国では、時速180キロで走っている車を追い越すのに、あっという間に時速200キロ近いスピードを出さないと安全に追い越せないので、200キロ以上で走れる車はたくさんあります。
日本ではそういう国へも自動車を輸出しているので、自動車の能力としては200キロで走れる車はたくさんあります。
日本は君が言った様に180キロ出れば充分だろうと言うことで、180キロを超えると「燃料カット」と言って燃料をエンジンへ送らなくなります。
世界中にはもっと速い車を要求している国もあるんだよ。
それから、スピードは時速130キロくらいでいいから、燃料3リットルで100キロの距離を走れる車を造りましょう、という国もあります。
だから、国の事情によって色々違うんだ。
だから、日本の車はどこの国に行っても買ってもらえるような性能を加えているの。
それが日本ではじゃまになる力だから、180キロで燃料が切れるようになっています。
軽自動車なんかは120キロで燃料が切れてしまうような仕組みになっているんですよ。

モータージャーナリスト・三本 和彦 先生

[戻る]