いきもの
Q. ミケ猫はメスばかりでオスを見かけません。逆にチャトラ猫はオスばかりでメスを見かけません。どうしてですか? (小4、男の子)
A. 遠藤先生:不思議なことに気がつきましたね。色とオスかメスか? という関係。ネコはすぐに逃げてしまうから観察が難しいと思いますが、ミケ猫だと必ずメスですよね。実はこれを研究した人がいて明確な答えが分かっています。人もそうなのですが、哺乳類は性別を決める染色体が…
男の子:染色体は知ってます!
遠藤先生:知っていますか? 凄いですねえ。その染色体がメスの形をした時にしかミケ猫の毛の色が出てこないようになっています。というのは、性別を決める原因と毛の色を決める原因が一緒に動いているからです。別々にはなれないのです。だからミケ猫というのは必ずメスなのです。
おねえさん:へ〜。
遠藤先生:もし、ミケ猫のオスに万が一出会うとしたら非常に珍しいです。それは染色体に異常が起きてしまう病気なのです。これはほとんど見る機会はないと思います。
中山先生:へぇ〜、初めて知りました。
遠藤先生:色々な毛の色がある動物は多分、猫が一番ではないかと思います。猫は形は違うのにみんな色が違いますよね。ミケ猫の場合は性別と毛の色が切っても切れない関係なのです。
中山先生:チャトラ猫もそうですか?
遠藤先生:はい。そうです。その他、自然界では性別と色や形がどうしても一緒になってしまう例というのがいくつもあります。
中山先生:そういえば鳥は多いですよね?
遠藤先生:そうですね。それに比べると猫の毛の色というのはもっと凄く単純に決まります。その単純さが性別を決めるのと一緒になっています。これからもパッと見て分かることの謎が、とても大事な中身を含んでいることがありますから興味を持ってドンドン調べるようにしてください!

作家の中山千夏 先生 / 東京大学総合研究博物館の遠藤秀紀 先生 / 空想科学研究所主任研究員の柳田理科雄 先生

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