いきもの
Q. サルは手を洗わないのになぜ、おなかが痛くならないのですか? (小3、女の子)
A. 遠藤先生:そうですよね。サルは手を洗ったりしないですね。なぜ、おなかが痛くならないのと思ったかもしれないですが、サルがおなかが痛くなっていることを確かめることができますか?
女の子:できません。
遠藤先生:そう。できないんですよね。ですので、2つの考え方をお話をします。1つは、野生のサルとか地面から直接エサを取る動物。実は、ぼくらが見えないところで、かなりたくさん病気になったり、おなかが痛くなったり、重い病気で死んだしまっている動物はいるんです。
だけど、実際にぼくたちがそれを眼で見ることができません。だから、病気にならないというより、実際に病気になっているというのことを考えてみてください。野生動物はそうやって、汚いものも食べていますから、ぼくらに比べると汚いことに対して強くて、体も強くできているんです。
ですが、あなたも手を洗わなくてはいいということではなくて、人間はもっときれいな生活をして、病気をどんどんなくさなくてはいけないし、健康な生活をみんなで送ろうと考えて社会をつくっているわけですよね。
だから、私たちは手を洗って、きれいな生活を実行していくことが大事だと思います。ただ、野生動物は、今いったように、おなかが痛くならないのではなくて、たくさん病気になっていると考えたほうがいいですね。
永先生:サルは賞味期限って分かります。
遠藤先生:おそらく、わからないですね(笑)
おねえさん:でも、切れているものを食べてしまうかもしれないですよね。
遠藤先生:犬を見れば分かりますが、地面に落ちているものを何でも口にしてしまいますよね。犬を飼っている人は、飼い主が見ていないときに、汚いものを食べてしまうということは時々、経験すると思います。だから、動物は決して、病気にならないわけではないです。サルであれば洗わない手で物を食べていますし、他の動物も手を使わなくても、汚いものを食べることはありますよね。お料理をちゃんとしていないものを食べているわけですから。

京都大学霊長類研究所の遠藤秀紀 先生

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