いきもの
Q. ネズミが「チューチュー」と鳴くのは本当ですか? 飼っているハムスターは「キーキー」としか鳴きません。 ()
A. 高家先生:チューチューというのは、人の言葉でまねした言葉なんだよね。だから、人によってはチューチューと聞こえるかもしれませんよ。だからハムスターがキーキーと鳴くと言うのは、他の人からしてみれば、チューチューと聞こえるかもしれませんよ。
 動物の言葉というのは、日本語では言葉に直しやすいんですよね。でも、外国では別の言葉(音)で聞こえるかもしれませんね。例えば、犬の鳴き声は「ワンワン(wan-wan)」だけど、アメリカでは「バウバウ(bow-wow)」と言ったりするの。ニワトリは「コケコッコー」だけど、アメリカでは「コックヮドゥードゥルドゥー(cock a doodle doo)」と言ったりするんですね。
 僕もハムスターが怒ったときに「キーキー」と鳴くのを聴いたことがありますが、「チューチュー」というのは聴いたことがありません。だから、「チューチュー」とかは、動物の鳴き声を言葉として表した時の共通の申し合わせのような言葉だということかな。ウグイスの「ホーホケキョ」というようにね。そういうのを「聞きなし(聞き倣し)」(注1)と言うんですけど…。
おねえさん:聞きなし?
高家先生:必ずしもそういう風に鳴いていないということ。そして、小さい動物ほど、高い声で鳴くの。大きいほど低い声で鳴くの。声帯と言って、音を出すところが短いほど高い音が出るんです。だから、小さい生き物はキーキーと鳴くんですね。猿も小さいものは高い声でキーキー鳴きますよね。大きい猿は「ウォホッホッ」と言いますよね。
おねえさん:ずいぶん声が違いますよね。
柴田先生:さっき、ウグイスの話で思い出しましたが、仏教の法華経が日本に入る前は「ウッグィー」と鳴いていると聞こえたらしいですよ。「ス」というのは鳥という意味なので、「ウッグィー」と鳴く鳥という意味でウグイスという名前になったそうです。それが、仏教が日本に入ってきたので、法華経というのが言葉を知って、「ホーホケキョ」と聞こえるようになって、それから、ウグイスは「ホーホケキョ」と鳴くという歴史があるんですね。

(注1)「聞きなし」とは、野鳥などのさえずりを人の言葉やフレーズに置き換えて、鳴き声を覚えやすくすることだそうです。鳥の鳴き声の翻訳などとも言われているそうです。

スタッフから:国によって動物の鳴き声は様々です。お隣の韓国でも犬の鳴き声は全然違います。色々調べてみましょう。

昆虫博士の高家博成先生/科学ジャーナリストの柴田佳秀 先生

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