いきもの
Q. 沖縄に台風が来ているのですが、その間、セミはどこで何をしているのですか? (小1、女の子)
A. 多田先生:確かに雨がザーザー降っている時、セミだけじゃなくて、トンボや蝶も飛んでいなくて、どこへ行ったのかなって思うよね。でも、セミたちは人間と違って、安全なお家とかがないから、そういう時は、きっと葉っぱの陰とか木の幹の裏、枝とか、雨の当たらないところや、隙間とかに一所懸命に雨宿りして、待っているんだと思うよ。
おねえさん:虫たちは足でつかまって、風にたえられるんですか?
多田先生:台風が終わった後に、私が住んでいる東京でも、その辺りではあまり見たことのないような蝶やトンボが急に増えることがあるの。だから、台風の時に、風と一緒に虫たちが飛ばされちゃうのね。台風に巻き込まれて、羽が折れて死んでしまうこともあるし、水の中に落ちることもあるの。中には何十キロも遠くの方から台風に連れられて来てしまうこともあるの。飛ばされることは良いことではないけれど、でも、その時に新しくチャンスを広げることはまったくないわけではないと思うの。でも、そういうことは極少数で、大体は雨に当たらないようにジッとしていて、飛ばされて「キャーッ」とか言っているんだよね。
おねえさん:なるほどね。ところで長倉先生、雨宿りをしている虫なんかを写真で撮ったことはありますか?
長倉先生:はい、今言ったような木の裏とか枝の下のほうを見たら、すごい虫たちが群れていて、ジッとうまく羽を閉じれば、風の抵抗がスッと抜けたりする、そういう動物、虫たちの知恵というのがあって、ちゃんと雨宿りをしたり、敵から逃れたり、体を縮めてみたり、そういう知恵があるんだろうなと思います。
多田先生:そうですね。自然界には風下で風に当たらない場所は少ないから、みんなで集まって、雨宿りをするのかもしれないですね。

東京農工大学講師の多田多恵子先生/フォトジャーナリストの長倉洋海 先生

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