いきもの
Q. なんで、ハチは花においしい蜜があることを分かるのですか? (5歳、男の子)
A. おねえさん:きょう、多田先生がたくさんのお花を持ってきてくれましたけれど、これを見てもどれに蜜があるのか、私たちにはよく分かりませんよね…。あ、この花は何の花なんですか?
多田先生:これは、「ヒルザキツキミソウ」という長い名前の花で、ピンクの花びらで、真ん中の方が黄色なの。花びらの真ん中に向ってスジが入っているの。ハチの眼から見ると、それが飛行機の滑走路というか矢印みたいに見えていて、そういうきれいな色はハチの眼から見ると、ここに良いものがありますよっていう目印で、「そっちに行けば良いんですよ」と…。
パックン先生:…案内をしてくれているんですね。
おねえさん:ちゃんと地図のようになっているんですね。
多田先生:それと、花の良い香りがするのもあるんだけど、その香りもこっちに来れば、ご馳走がありますよって教えているの。
おねえさん:花が教えてくれるから、ハチは分かるということですか?
藤原先生:ハチが1匹、2匹、花畑に行きますよね。それを後から後から、付いて行くのではなくて、巣に戻ったハチが、そのたくさん蜜があったということを仲間に教えるシステムがあるんですよ。それが「8の字ダンス」と言います。
パックン先生:あ、携帯メールじゃないんだ(笑)
藤原先生:(笑)でも、行ったこともないミツバチがちゃんとその花に行けるんですよ。蜜や花粉を集めたりしていると、あそこにどれくらいの蜜があるか、どこにあるのか、ということを仲間に教えます。
おねえさん:そのダンスはどういったものなんですか?
藤原先生:それは、ハチはちゃんと太陽を認識していてて、どれくらい角度をずらして踊っているかによって分かるんです。例えば、太陽の方角から45度ずれて踊っていると、人間がその45度通りに歩いていっても、その花はあるんですね。
おねえさん:その方向に向けて、8の字で飛んで踊っているということですね。
藤原先生:「飛ぶ」のではないんです。巣の中で歩き回るんです。そのスピードが速ければ速いほど、蜜が近くにあって、激しく踊れば踊るほど、蜜が多くあります。
おねえさん:へぇ〜。それでは、ゆっくり踊っていたら、遠いんですか?
藤原先生:そうです。もう1匹、2匹が踊っていると、そっちの方に行こうと、そして、蜜が多ければ、遠くても行こうと。その駆け引きがお互いにあるんです。
パックン先生:そのダンスのエネルギーで分かるんですね。
藤原先生:そうです。そこに群れるハチが多ければ、多いほど、そっちへ行くハチが多くなるんです。
パックン先生:じゃあ、ちょっと遠くて地味なところだったりすると盆踊り程度で、近くてたくさん蜜があると、スーパーよさこいみたいになるということですね(笑)。

藤原養蜂場場長の藤原誠太先生/東京学芸大学講師の多田多恵子先生/お笑いタレントのパトリック・ハーラン(パックン) 先生

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