いきもの
Q. ダンゴムシは丸まるのにゾウリムシはなぜ丸まらないの? (6歳、男の子)
A. おねえさん:試してみたことある?
男の子:ある。
おねえさん:そうだよね、どうしても丸まらないもんね。
高家先生:まず、ゾウリムシは普通、「ワラジムシ」と言うんですけど聞いたことあるかな。ワラジムシが通常の名前なんだ。ゾウリムシは別に原生動物と言って、顕微鏡で見なくちゃ分からない虫がいるんです。そちらを普通、ゾウリムシと言っているので、普通、君の言うゾウリムシは、ワラジムシと呼んでいます。
おねえさん:そうなんですか。おねえさんはこどものころゾウリムシと言っていました。
高家先生:そうなんですよ。それと、ダンゴムシとワラジムシの両方とも突付いてみたことあるかな?
男の子:うん。
高家先生:そうか。ダンゴムシはくるっと丸まったでしょ。そして、しばらくするとモコモコと起きだしてゆっくりと歩き出していくでしょ。ところがワラジムシの方は突付くと逃げるでしょ。ダンゴムシは逃げ足が遅いから、「これではすぐに捕まっちまう」と思って、硬い殻で丸まるんです。例えば、アリさんから体を守ったりするの。ダンゴムシの硬い皮膚はアリさんのアゴでは咬めないんだよ。でも、ワラジムシはアリさんに捕まっちゃうと怪我をしちゃうのね。だから急いで逃げるの。それから、湿ったところをワラジムシもダンゴムシも好んで、どちらも落ち葉を食べるのね。そこで、ダンゴムシは乾いていると、くるっと丸まって体が湿ってくるまで待つんですね。ワラジムシの方はさっさと湿ったところに逃げちゃうのね。ワラジムシは皮膚の仕組みがちょっと柔らかいのに比べて、ダンゴムシは皮膚が硬いからゆっくりしていても大丈夫なの。でもね、元々は両方とも水の中の生き物なんですよ。それが時代が経つにつれ、陸に上がってきて、それがさらに陸上に適応してきたのがダンゴムシなんだと思います。他にも、似た生き物で海辺に「フナムシ」というのがぞろぞろいるんです。さらに、水族館に行くといると思うけど、「グソクムシ」というものすごく大きいダンゴムシみたいのもいるんですよ。昔のサムライが見に付けていた鎧みたいのを具足(ぐそく)と言うですけど、それそっくりのムシがいるんですよ。海のダンゴムシみたいなものかな。これも丸まるんです。丸々と言うことは体を守ることに非常に良いんですよ。
中山先生:ムシの種類によって身を守る方法が違うということですかね。
高家先生:そう。その通りですね。

多摩動物公園昆虫園の高家博成 先生

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