いきもの
Q. カマキリのお尻から黒くて細くて長いものが出てきたんです。それは動いています。それはなんですか? (小2・男の子)
A. 高家先生:これは、おもしろいものを見たね。これは長さが20センチぐらいあって、細い針金のようでしょう?これはね、ハリガネムシというのです。ムシですが、昆虫じゃありません。センチュウという種類なんです。では、この虫の生活の流れをお話しますね。
カマキリは、このムシがおなかにいて、このムシが大きくなるとどういうわけか水のそばに行きたくなるんです。そして、その虫が水のそばに来たと分かると、カマキリのおなかから外に出て、水の中に落ちるんです。水の流れに落ちると、例えば滝つぼかなんかにはそうして流れてきた虫のなかまが集まってきてグルグルまわりながら交尾をするんです。そうして、水草や木の根に卵を産みます。
とっても小さな小さな子供が生まれます。そうしたら、その子供はミジンコや虫にくっつきます。その虫が大人になると外に出てくるでしょう。そうして、その虫がカマキリに食べられるとようやくそこで一生が終わるんです。
だからあなたが見たのは、その虫の最後の姿なんです。とってもとっても長い旅をしてきた虫なんですよ。たくさん卵を産んで、ぐうぜんカマキリに食べられないとその生活がなりたたない。あなたはすごいモノを見たんです。

多摩動物公園 昆虫園   高家博成 先生

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