いきもの
Q. なんで動物の近くによると「くさい」のですか? (小1・男の子)
A. 兵藤先生:どこで、そう思ったのかな?
こども:動物園にいった時、そう思いました。
兵藤先生:ひとつには人間があんなせまい所に動物たちを閉じ込めてしまうから、あんなにくさくなってしまうんです。自然のもっともっと広い所にくらしていれば風もふくし、おしっこやうんちのにおいももっと広い所にあるわけだから、あまり感じる機会がありません。
ただ、動物特有のにおいがあることもたしかです。犬でも種類によってにおいがちがいます。それでおたがいをかぎわけるんです。初めてあった同じ種類の仲間もにおいでわかるようになっているんです。動物はにおいでもって安心するんです。
また、動物はこのにおいを利用して「自分はココにいる」と周りの動物に知らせます。「マーキング」と言って、おしっこをいろいろなところにしていきますが、これはおしっこをかけるというよりも「におい」をつけているんです。
そう、「におい」ってとても大切なんです。人間はこのごろとても神経質で、においを消そうとしています。でも、ぼくは自分の「ねどこ」がいちばん安心できる。自分のにおいの所に戻れると本当に安心します。動物にも同じことが言えて、動物の赤ちゃんを新しい「かい主」の所につれていく時は、その前にいた場所のにおいのついているものを持っていくととても安心する。それぞれの動物たちが、それぞれのにおいでおたがいをみとめあっているんです。だから、においがないととても困ってしまうんです。人間にとっては不都合かもしれませんが、動物はとても大切なんですよ。

兵藤動物病院 院長:兵藤哲夫 先生

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