いきもの
Q. ミツバチは、ほかのハチにおそわれたとき、どうするのですか? (小6・男の子)
A. 日本には「日本ミツバチ」と「西洋ミツバチ」の2種類のミツバチがいます。
で、僕たちが飼っている西洋ミツバチはね、スズメバチが来ると、特にオオスズメバチだと、10匹ぐらいがおそってきただけで、何万匹ものハチが数時間で全滅します。ですから、僕たち養蜂家が守って、虫取り網でとったりネズミ捕りみたいな道具を巣箱の前に備えたりして、ミツバチと戦わせないようにしています。
だから、西洋ミツバチが巣分かれして野生に戻っていこうとしても、日本ではオオスズメバチのいない沖縄や小笠原以外は、ほとんど野生になれないんですね。
ところが日本ミツバチは、ずーっと昔から山にも住んでいて、オオスズメバチとも戦ってきたんです。西洋ミツバチは1匹1匹が戦うからどんどん殺されてしまうけど、日本ミツバチの場合は、オオスズメバチが近づいてくると、巣の中に入ってしまうんですね。そしてじっとがまんしていて、オオスズメバチがもぐりこんできたときに、針をいっさい使わずに、100匹とか200匹以上で輪になって取り囲んで、オオスズメバチをかじっちゃうんですね。でも、かじって殺すんじゃないの。押さえつけてしまうんですよ。そうするとオオスズメバチは動けなくなってしまいます。そして日本ミツバチは、今度は羽をぎゅーっとちぢめて筋肉の熱を出します。オオスズメバチは45度くらいで死んでしまいますが、日本ミツバチは48度まで大丈夫なんですよ。普段、群れの中の温度は34度なんですが、このときは46度か47度くらいまで熱を上げて、15〜20分のうちに、自分たちより20倍近くも大きいオオスズメバチを、熱で殺してしまうんです。オオスズメバチには大きなキバがあるので、数匹だけはかじられて犠牲になりますが、そのほかはほとんど死なないんですよ。
ハチ達はいろんな知恵を使って戦っているんですね。

藤原養蜂場三代目:藤原 誠太 先生

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