いきもの
Q. トンボが目がいいけど、ヤゴは目がいいのですか? 目がいいのならば、ヤゴに触角(しょっかく)はいらないと思うんですけど…。 (小1・男の子)
A. 高家先生:すばらしい!! その通り。ヤゴの触角はたいしたこと無いんです。トンボになってもそれは同じです。トンボは目の側に本当に小さい触角がちょっと付いているだけなんです。あなたは、ヤゴを見たことはありますか?
こども:今、飼っています。
高家先生:えさは何をやっていますか?
こども:アカムシです。
高家先生:そうですか。アカムシがツツツツと降りてきた時、パッと捕まえて食べるでしょう?その時、ヤゴはどこでそのアカムシを食べますか?
こども:あごを伸ばして食べます。
高家先生:そうなんだよ。下のくちびるがクッて伸びるんだよね。その伸びる範囲にアカムシが降りてきた時、パッと捕まえて食べる。それは、その二つの目で、エサが来たのを見た時にあごを伸ばして食べるんです。それほど目がいいんです。あなたはヤゴの目を見たことがありますか?
こども:あります。目の真ん中に黒い点がポチッと出来ています。
高家先生:そうです。それがわかったら、今度は僕たちが自分の体をちょっとかたむけてみてください。すると、その黒い点も追いかけてきます。でも、それは本当の「ひとみ」じゃないんです。それは「偽のひとみ」です。トンボも同じなのですが、それは複眼(ふくがん)と言って、たくさんの目があの二つの目の中にあるんです。そして僕たちのひとみとその複眼の中のひとつの目がちょうどあった時に、その目の奥が見えるんです。だから黒く見えるんです。これはかなり難しい話ですが、私たちの目の光軸(こうじく)とヤゴの光軸があった時にその黒い目が見えるというんです。覚えておいてくださいね。

多摩動物園・昆虫園:高家博成 先生

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