全国こども電話相談室[いきもの]

ばいきんの種類は、どれくらいいるのですか？　また体に入るとどんな症状（しょうじょう）なのかを教えてください。（小５・男の子）

藤田先生：えっと、ばいきんと言うとどんなものを知っているかな？
こども：インフルエンザとかかな。
藤田先生：そうだね。でも、じっさいはもっとすごい数の種類がいるんだよ。インフルエンザは、ウィルスといって本当はたんぱく質で生き物じゃないんだ。でも、人の体の中に入ると生き物になって悪さをするんだね。もう少し大きなものだと、細菌（さいきん）やバクテリア。これがみんなのよく言う「ばいきん」だね。もう少し大きくなるとリゲッチャーとかスピロヘーターとかカビ、原虫（げんちゅう）、寄生虫（きせいちゅう）。おなかの中にも食べ物を食べるバクテリアがいるんだけど、ゾウの中にいるバクテリアと人間の中にいるバクテリアでは種類が違う。この他、名前についていないものもたくさんあります。だから「何種類ありますか」という質問にはノーベル賞をとった人も答えられません。
そして、それぞれどんな症状がおこるかという質問ですけど、みんな「ばいきんはわるもんだ」と思っているけど、実は腸の中にばいきんがいないと食べ物を消化（しょうか）できないこともあるんだ。たとえば、コアラはおなかの中にばいきんがいることでユーカリを食べられるんだよ。いいことしているのもたくさんいるんです。
ただ、ふだん人間の体の中にいない「ばいきん｣が入ってきてしまうと悪さをします。たとえば鳥インフルエンザ。あれは、ニワトリに対しては「こわいばいきん｣だけど、カモの中には昔からいるんです。それが他の鳥に入り、それから人間に入るとこわいことがおこるんですね。
ばいきんはみんなの体にも住んでいて、むしろいいことをしています。たとえば、人の肌の上にいつもいるものは、１０種類くらいいます。これは皮膚を守っているんだよ。その他、おなかの中にはすごいたくさんばいきんがいて、ウンチは半分ぐらいがばいきんの死んだあとなんです。そのばいきんが何しているかというとビタミンを作ったり、免疫力を作ったりしているんだよ。だからばいきんは、なくてはならないんだよ。

東京医科歯科大学　教授：藤田　紘一郎　先生

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