これは、すごく難しいなぁ。僕なんかサルを育てて、上野動物園とかで40頭とか50頭とかずっとサルを見ていたでしょう。そうすると大人のサルなら、体の形でわかります。オスは、体ががっちりして胴が長いんです。メスは体の長さがちょっとみじかくてふっくらしてかわいいの。人間もそうでしょう。男の人の方が体ががっちりして後ろから見ていてもなんとなく男の人らしいよね。歩き方も男の人と女の人とちょっと違うよね。
ただ、もっとちゃんと見分ける方法と言われれば、睾丸（こうがん）があるかないかでないと見分けられません。ただ、これにも、1つ問題があります。それは、睾丸が大きくなってはたから見えるようには、サルも3歳ぐらいにならない分からないんです。1、2歳のこどもだとわかりません。だから、テレビで見て「これオスだ、メスだ」というのは、だいぶばっちり睾丸（こうがん）をうつしてくれないと分かりません。
でも、私達なら大人のサルだったら体の形で、分かります。動物と言うのは、ひとつのものをずっと見ているとだんだんその様子がわかってきます。たとえば、あなたはニホンザルを思い浮かべてといってもなかなか思い浮べられないでしょう。他のサルときっといっしょになってしまうと思うんだよね。でも、僕らは、ニホンザルの形はおろか、タイワンザルの形でも分かります。1つの種類をきっちり覚えるとそういうことができるようになります。そうすれば、1頭1頭がきちんと見分ける事もできるようにもなりますよ。そして色々なことも研究できるようになります。だからあなたも一生懸命サルを見て見分けがつけられるようになってください。そうなったら楽しいよー。サル山を見てても本当に面白い！！

動物の先生：川口　幸男　先生