いきもの
Q. 街のカラスは生ゴミをたべているけど、山のカラスはなにをたべているんですか? (小5・女の子)
A.

カラスはきほんてきにはなんでも食べるんです。これを雑食性(ざっしょくせい)と言います。昔、戦後まもなくのころ、カラスの死体800体ぐらいの胃の中を調べた人がいらっしゃって、それの記録が残っています。実はカラスが何を食べたかという記録はそれしか残っていないんです。だから今言われているように、本当に街のカラスがゴミをどれだけ食べたか分からないんです。

山のカラスというのは何をたべているのかというと、そのほとんどが木の実なんです。東京のカラスも木の実を食べていますよ。それが、どうしてわかるかというと、やきとりを食べた事はありますか?砂肝(すなぎも)って食べたことある? 実は鳥というのは“おく歯”が無いでしょ。だから、食べたものをゴリゴリやるのは、その“砂肝”ってところなんです。

そういった体の作りなので、消化できないものは口からはき出します。ぼくらはそれを“ペリット”というんですけど、それを調べるとカラスは何を食べたかが分かるんです。それで、調べると木の実がいっぱいあるんです。“ムクの実”とか、“エノキの実”とか、その他、道ばたに紫色の実がある“ヨウシヤマゴボウ”などです。時には、虫もありました。ヤスデというゲジゲジですね。あれが大量に夏、発生しているんですね。それをいっぱい食べています。

それから以前見たのがてんとう虫の幼虫とかセミかな。セミってあまり長く生きられないようね。だから7日ぐらいたって弱ったセミなら捕まえられるんですね。ある意味でいうとカラスは“そうじやさん”なんです。ネズミつかまえたのとかモグラとか小鳥のひなとか弱った小鳥なんかも食べますね。カラスは見ているといろいろなことやるからおもしろいよ。


日本野鳥の会:松田 道生 先生

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