ギョウチュウはそんなに悪い虫じゃないんですよ。この虫は、盲腸（もうちょう）というおしりの穴のに近いからだの中に住んでいて、卵を生む時だけおしりの穴から出てきて卵を産みます。ですから、おしりに卵を産みますからあまりその虫が多いとおしりがかゆくなります。昔は、寄生虫は全部悪い虫だと言われていまして、「勉強がわるくなったら、ギョウチュウのせい」とかにされていましたが、そんなことはありません。ですから、そんなに悪い虫ではありませんが、積極的に良い事をしていることもない虫ですね。でも、おしりがかゆくなるくらいしか悪い事はないんですよ。親の虫は、おしりの穴で卵を産むんですが、卵をうむとすぐしんじゃうんですよ。そうすると、ウンチといっしょに出て行ってしまうので、一所懸命人間さんにわるいことしていないように生きているんですよ。

寄生虫の先生　東京医科歯科大学大学院教授・藤田紘一郎　先生