いきもの
Q. とても高いところをとんでいる鳥はいきぐるしくないんですか? (小3・男の子)
A.

あなたは高いところをとぶ鳥を見たことがあるんですか?

こども:アネハヅルがヒマラヤをとびこえていくのをテレビで見ました。

アネハヅルは、ヒマラヤ山脈という8000メートルもある高い山々をこえて「わたり」をすることで知られているよね。たしかにヒマラヤのような空気があるのかないのかの高いところをとんでいます。空気がうすくてただでさえたいへんなのに、羽をうごかしてとばなくてはならないからもっとたいへんですよね。じつは、こういう鳥たちはとくべつな体のしくみを持っているんです。これは高いところに行くと「しんぞう」のドキドキする回数がへって、空気をたくさんすわなくても大丈夫なようになるんです。
実際、アネハヅルが高いところをとんでくるしくないかといわれると、これはちょっとアネハヅル本人に聞いてみなくては分かりません。ただ、きっとツル本人はくるしくないと思います。だっていきぐるしかったら、あの道でとばないでしょう。わざわざヒマラヤ山脈をこえるんだからきっとくるしくないと思います。

お姉さん:ちなみに空気のうすいところでは、ふだんのとびかたをかえたりしていますか?

ヒマラヤをこえる鳥ともなるとあまりにも高いところをとぶので、実際とぶすがたを見た人はなかなかいません。いっしょにとぶわけにもいかないですしね。ではなぜ、アネハヅルがヒマラヤをこえるのをしっているのかというと、実際はアネハヅルに発信機を(はっしんき)つけてどこをとんでいるかみているんです。だから羽をどのようにうごかして空気の薄いところをとんでいるのかなかなか表に出てこないです。
しかし、鳥にしてみたらぜったいとびかたを変えているはずです。たとえば、真雁(まがん)なんかも地上をバタバタしているときと、「わたり」をとんでいるときのはねの動かし方は変わっています。だからアネハヅルもきっと変えていると思います。

お姉さん:たとえば、風の力を借りたりもするんですか?

そうですね。たとえば、タカで良く見られるのが、まとまってはしらをつくってとんでいくすがたです。このときタカは、バタバタしないで上昇気流(じょうしょうきりゅう)という空の上のほうに向かって強く流れる空気が出来るのをまっているんです。そしてその空気の流れが出来たとき、すかさずとんでいきます。きっとアネハヅルもそうでしょう。


エッセイスト:三宮 麻由子 先生

[戻る]